「日本」の空室状況

賃貸経営基礎知識

賃貸アパート・マンションの部屋探しをしたことがある人ならば、自分の条件にピッタリ合う物件をなかなか見つけることができず「アパート・マンションは足りていないのではないか?」と感じたことがあるのではないかと思います。しかし日本の賃貸住宅は4部屋に1部屋が空室の状態です。

アパート・マンションの空室は多いのか?

アパート・マンションの空室は多いのでしょうか?少ないのでしょうか?賃貸アパート・マンションの部屋探しをしたことがある人ならば、自分の条件にピッタリ合う物件はなかなか見つけることができず、条件をひとつ削りもうひとつ削りながら、やっと条件に近い部屋を見つけたという経験があるのではないでしょうか。そのことからも「アパート・マンションは足りていないのではないか?」と感じたことがあるのではないかと思います。

しかし日本の空室率は22.7%(※)と4部屋に1部屋は空いているという非常に空室の多い状況が続いています。それにもかかわらず、部屋探しをしている方がなかなか良い物件に巡り合えないというのも事実です。

  1. 出典:公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会 都道府県別「民間賃貸住宅(共同住宅)戸数・空き戸・空き室率」

空室が多い意外な理由

日本で空室が多い理由のひとつが「入居者からの人気が無い建物が多い」ことです。その物件とはいわゆるプレハブアパートのことです。工場での大量生産が可能な同一規格の軽量鉄骨や木造パネルを用いた工法で、一定の品質を維持でき作業時間も短く、RC(鉄筋コンクリート)造よりコストを抑えることができるメリットがあるため、多くのアパートメーカーが採用しており、これまで多くのアパートがプレハブ工法で建てられました。

しかし、このプレハブアパートは、家主、建築会社などの「建てる側」にはメリットが多い一方、「住む側」の入居者にとってはデメリットともいえる弱点があったのです。

プレハブアパートの弱点

国土交通省の「賃貸住宅管理に関するアンケート結果(※)」では、1位の「原状回復の意見食い違い」、2位の「家賃滞納」に続く3位に「騒音など共同生活上の苦情」が挙げられています。
アパート・マンションに住んで上階や隣の騒音に悩まされた人も多いと思いますが、このプレハブアパートは遮音性が低いという弱点があります。

上の階で走る音が下の階に響いたり、隣の部屋の音が聞こえるなどアパート・マンションではクレームになることも少なくはありません。
部屋を探すときに、騒音の問題を抱え外観も画一的なプレハブアパートに住みたいと思う人が多くないことは理解しやすのではないでしょうか。

  1. 出典:国土交通省「賃貸住宅管理に関するアンケート結果について」

都市の規模と空室率の関係

北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県
空室率 24.6% 30.3% 22.9% 15.4% 26.1% 22.7% 18.4% 29.8% 31.8% 30.9%
埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県
空室率 22.5% 24.9% 19.0% 21.6% 26.4% 25.5% 26.7% 29.3% 34.2% 28.9%
岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
空室率 30.1% 28.8% 20.7% 26.2% 23.7% 20.6% 24.9% 23.8% 25.7% 30.1%
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県
空室率 22.4% 20.5% 24.1% 23.2% 24.8% 26.0% 27.7% 26.2% 23.0% 19.1%
佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県
空室率 20.3% 24.2% 21.9% 22.8% 20.3% 20.9% 13.4%

沖縄県は、失業率と県民所得が全国で下位に位置していますが、大都市東京都を抑えて堂々の全国1位とマンション経営では健全な状況を保っています。

沖縄県が低い空室率を保っている理由は気候と台風にあります。沖縄県は亜熱帯気候のため毎年多くの台風が上陸します。そのような気候では暴雨風に耐えることができる住居として2~3階建てのRC(鉄筋コンクリート)造が主流でマンション以外にアパートや一戸建てでも採用されています。

そのため、他の都道府県で多く見られる画一的で強固ではない構造のプレハブアパートが少ないことが、全国で最も空室の少ない理由だと考えられています。

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