2020.04.20更新

敷金・礼金ゼロの使い方

私たちサブリース会社の実践するノウハウを紹介するこのコーナーでは、これまで様々な施策について説明してきました。

今回は、サブリース、マンション経営における「敷金、礼金ゼロ」の使い方についてお話しします。

空室を埋めるための賃料値下げ

賃料を下げても空室が埋まらないことも多い

私たちがお預かりするアパート・マンションでも、まれに空室を埋めることに苦労するケースがあります。その物件が持っていた問題点を洗い出し是正しても、競合物件と比較して差別化が図りにくい場合です。

これらの施策を講じた結果、空室を埋めることができない時、一般的には賃料を下げる方法がとられると思います。例えば「賃料7万5,000円、敷金賃料の2カ月、礼金賃料の2カ月」という条件で空室が埋まらない場合、多くの不動産会社では「空室のままでは仕方がないので、賃料を下げて入居者を募集しましょう」と家主に提案し「賃料7万円、敷金賃料の2カ月、礼金賃料の2カ月」などという条件に変更することが多いのではないでしょうか。これで空室が埋まればいいのですが、それでも埋まらないケースも多いようです。

場合によっては、さらに賃料を下げて入居者を募るということにもなりかねません。

敷金、礼金ゼロをうまく活用する

「敷金・礼金ゼロ」という大きな付加価値を付ける

このような場合、私たちサブリースのプロは「敷金、礼金ゼロ」を活用します。表面上、家賃は値上げしますが、その分敷金、礼金といった入居費用を無くします。いわゆる「敷金、礼金ゼロ」物件にするのです。

アパート・マンションを借り換える時の敷金、礼金など初期費用は、高額になるケースが多くなります。家賃70,000円の物件で、敷金、礼金ともに家賃の2カ月分ならば、28万円となり、ファミリー向けで家賃100,000円ならば40万円となります。それ以外に前家賃や仲介手数料も負担しなくてはなりません。

これらの初期費用は、一般的な入居者にとっては高額で頭を悩ませる問題です。それらが無くなれば物件が持つ弱点をフォローしてくれることになります。つまり「敷金、礼金ゼロ」という大きな価値を付けて物件の人気を高めるという手法です。

しかし、家主にとっては原状回復や滞納のリスクが家主負担になると疑問を持つ人もいるでしょう。次号は、これらのリスクについて解説します。