2020.04.20更新

駐車場と竣工時期はサブリース運用で無視できない

私たちサブリース会社も無視できないマンション経営成功のポイントのひとつが「駐車場」です。ただし、エリアによって状況は変わります。

「大都市以外」のエリアでは駐車場は必須設備

「大都市以外」での駐車場の必要性

東京、大阪、名古屋などの大都市圏にある賃貸アパート・マンションでは、駐車場台数を考慮する必要はありません。大都市圏では公共交通機関が発達しており、車が不要とはいいませんが、多くの人は車が無くても十分生活していけるためです。また、それらの地域では、駐車場代が高額なので車を持ちづらいという側面もあります。

しかし、それ以外の地域では、部屋数と同じだけの駐車場が必要になります。大都市に住んでいる人にはピンとこないかもしれませんが、地方では車が無いと生活しにくい「車社会」が一般的です。

その傾向は「自家用乗用車の世帯当たり普及台数(※)」のデータで確認することができます。世帯当たりの自動車普及率が最も高いのは福井県で1人当たり1.752台、続いて富山県が1人当たり1.712台、山形県が1人当たり1.678台の順で続きます。最も少ないのは東京都で、わずか1人あたり0.456台という状況です。

このデータから、大都市圏以外のアパート・マンションにおいて、駐車場は必須設備であることが分かります。

竣工時期を見誤らない

「客付け」シーズンは一極集中

「竣工時期」とは一般的に新築工事の完成時期を表しますが、入居者が物件を見ることができる時期にもなりますので、新築以外ではリフォーム、原状回復でも工事が完了するタイミングになります。

かつては賃貸アパート・マンションに「客付け」シーズンは色々ありました。例えば、入学や入社のシーズンとなる4月。企業の転勤シーズンとなる9月。結婚シーズンの5月、6月などです。

しかし、ここ数年は入学、入社シーズンである4月に一極集中している状況です。この状況で4月までの入居に間に合わせるには、最低でも3月下旬には竣工していなければならず、新築アパート・マンションの多くがここを目指して建築されるようになりました。それにより工事が重なり工期、竣工が遅れてしまう事態も起きてしまうほどです。

私たちが竣工時期を2月にする理由

入居契約までの流れの変化

ただ、サブリースでマンション経営を代行する私たちにとって、3月下旬の竣工は完全なタイミングではありません。サブリースのプロとして物件をお預かりする際には、2月の竣工を家主にお願いしています。

その理由は、この数年、入居希望者と接点を持ってから入居の契約を結ぶまでの流れが変わってきたからです。

インターネットがこれほどまでに利用されていない時代、部屋探しは賃貸アパート・マンション情報誌で希望の物件を探していました。入居希望者は気に入った物件があれば、取り扱う不動産会社に連絡し店舗を訪れ、営業担当者は入居希望者に直接、物件の持つ魅力を説明して契約を結んでいたのです。

しかし、今はインターネットで膨大なアパート・マンションを目にすることができ、クリックを数回するだけで、自分の条件に合ったアパート・マンションのみを抽出してしまえるのです。その次のステップは、現場を自分自身の目で見て確認する「内覧」になり、それが入居してもらえるかどうかの鍵となってきています。

「内覧」が成約の鍵になる

入居者が物件を検討する時間を考慮する

入居希望者が内覧する前提でスケジュールを考えると、3月20日に竣工したとしても4月1日から入居する人が内覧できる週末は1回しかありません。最低でも2~3件を内覧したい人にとっては、一巡して最後にもう一度最有力候補を内覧するには週末1回では足りませんし、物件を決めるために検討する時間を考慮すると、やはりもう1カ月は必要になります。

これが竣工時期を2月にする理由です。私たちサブリース会社はマンション経営のプロとして竣工時期には徹底的にこだわっています。これはアパート・マンションを再生させるリフォーム工事でも同様です。