2020.04.20更新

最も重視する要件は立地

マンション経営に不可欠な要素として、サブリースのプロである私たちも重視する立地について解説していきます。都市部への通勤が便利な路線の駅から短い時間で歩ける範囲の物件でないと収益はあげられないのでしょうか。

高収益物件は
「1等立地」に一極集中

生活や通勤に便利な1等立地

都市部で暮らす人の多くは電車通勤をしています。毎日のことを考える、と多くの人は自宅から駅、駅から会社に近いことを希望するでしょう。特別な事情が無い限り、都市部への通勤が便利な路線で、駅から極力短い時間で歩ける圏内のアパート・マンションに人気が集中します。このような立地が一番人気で1等立地と評価します。

一方、最寄り駅から都市部へのアクセスが良くても、駅までバスを使わないと行かれない場所は2等立地、交通の便が悪く車でないと生活ができない場所を3等立地と評価します。

一方、最寄り駅から都市部へのアクセスが良くても、駅までバスを使わないと行かれない場所は2等立地、交通の便が悪く車でないと生活ができない場所を3等立地と評価します。

アパート・マンションは生活や通勤に便利な1等立地に人気が集まりますが、この背景には、近年見られる「都心回帰」の傾向が影響しています。

近年見られる「都心回帰」の傾向

都市部には新たな住民の流入でニーズが高まる

バブル経済崩壊後から都市部への人口流入は、2008年のリーマンショックでいったん落ち込んだ後、2009年以降、首都圏など都市部を中心に回復しています。

全国的に見て、転入が転出よりも多い状態にある自治体は451市町村で、これは全体の1/4以上を占めています。

転入により新しい住民が増えることで、賃貸アパート・マンションのニーズも高まります。都市部には新たな住民の流入でニーズが高まることで競争が起こり、物件の条件などで人気に開きが出てくるようになります。

駅から遠い2等立地に合った入居者層

毎日駅を使う必要のない層に住んでもらう

1等立地に人気が集中と言われると、駅から遠いアパート・マンションの家主は不安になるかもしれませんが、そんなことはありません。

その場合、発想を変えて「毎日駅を使う必要のない層に住んでもらう」という方法があります。つまり仕事からリタイアしたシニア層です。

近年、賃貸アパート・マンション業界でニーズが増えてきているのは「サービス付き高齢者向け住宅」です。夫婦、もしくはひとりでセカンドライフを謳歌しよういう人たちは、毎日通勤する必要がないので、「駅近」にこだわる必要がありません。

仮に駅から遠い2等立地でも、その他の要件が満たされ周辺の競合物件に対し強みを持つことができれば、安定したマンション経営をすることも可能になります。ただ、高齢者向けのアパート・マンションはあくまでも2等立地まで、3等立地での経営は厳しくなるでしょう。

一般的に「シニアは豊かな自然に囲まれた環境を好む」といったイメージがあり、人里離れた立地にサービス付き高齢者向け住宅が建築されるケースもありますが、本当に入居者のニーズを押さえられているのでしょうか。

山歩きや軽登山が好きなシニア層でも、それは「レジャー」であって「日常」ではありません。