2020.04.20更新

インターネットによって空室が生み出される

部屋の探し方は、時代とともに移り変わってきています。インターネットでの検索が主流になったことによってすべての物件は条件検索機能でふるいにかけられてしまうようになったのです。これによって家主、サブリース会社、不動産会社にとっては新しい問題が発生したのです。

インターネットの部屋探しが
主流の時代

条件検索機能により、機械的に、そして一瞬にしてふるいにかけらる

部屋の探し方は、時代とともに移り変わってきています。

インターネットが普及しつつあったとはいえ、まだ10年ほど前までは、部屋探しはコンビニエンスストアや書店で住宅情報誌を購入してくまなく読み、好みの部屋があれば不動産会社に電話して部屋の空き状況を確認するという方法で部屋探しをしている入居希望者はいました。運良く目当ての部屋が空いていれば良いのですが、大抵は電話した時点で部屋は埋まっていて、条件が似た他の物件を紹介され内見に出向くというのが一般的でした。

インターネット利用者が1億人を超えた今、20代から40代の年齢層では、ほぼ全ての人々がインターネットに接続できる状況にあり、また、この年齢の人々は賃貸アパート、マンションを最も利用するターゲットでもあります。

部屋探しもインターネットでの検索が主流になりました。Yahoo、Googleなどの検索サイトで「部屋探し」と検索すれば賃貸アパート・マンションを紹介するホームページが見つかり、多くの賃貸アパート・マンションの空室情報を見ることができます。

部屋を探す人には、自宅、通勤中などでも簡単に部屋を探せるため、昔と比べれば楽に簡単になりましたが、家主、サブリース会社、不動産会社にとっては悩ましい現実でもあります。全ての物件は、物件紹介ホームページが持つ条件検索機能により、機械的に、そして一瞬にしてふるいにかけられてしまうからです。

アパート・マンションが検索から
外れたことを知る術がない

一例として、一人暮らしの人がインターネットを使いアパート・マンションを探したとします。

今、多くの物件紹介ホームページには様々な条件(間取り、物件種別、最寄り駅からの時間、築年数、こだわり条件など)をチェックするだけで、自身の選んだ条件に合った物件だけに絞り込んで検索する機能があります。

この機能は、いわばひとつのチェック項目の差で、部屋を探している人に物件を見てもらえなくなることにもなりかねません。

同じ立地にある築年数も間取りも同じ物件でも、TV付きインターホンを導入していなかったばかりに、入居者の検索条件から外され入居の機会を逃してしまう。さらに、怖いのは家主、サブリース会社、不動産会社が、そういった流れで入居者を逃してしまったということすら把握できないのです。

これまでは、不動産会社と入居希望者が顔を合わせ話せたから、なぜ成約に至らなかったのか理由を把握できました。また、その理由を家主にフィードバックすることもできました。しかし、今、入居希望者の条件に当てはまらないアパート・マンションは、入居希望者に見てもらうこともなく、他の物件情報の中に埋もれていくだけです。

これからもインターネットでの部屋探しという流れは変わることはないでしょう。

家主もサブリース会社、不動産会社も、この流れに合わせて、入居希望者にアパート・マンションを見てもらえるよう手を打っていく必要があります。