2020.04.20更新

遠隔地のマンション経営に重要なパートナー選び

前号は、遠隔地のアパート・マンションを購入して相続税対策するメリットをお話しました。
今回は、今後の売却物件が購入しやすくなるのかと、遠隔地のマンション経営のためのパートナー選びについて解説します。遠隔地の物件を購入するにあたって足を運ぶ機会も限られるでしょうが、経営するとなればパートナーの存在は必要不可欠です。

今後も売却物件が増えていく

日本の資産家の多くは不動産所有者でキャッシュリッチではない人が多いようです。そのため、相続対策が発生すると不動産を売却して資金をつくり相続税を納税する必要があります。そのようなことから、今後もアパート・マンションを手放さざるを得ない家主が増えることが予想されます。

資産家を悩ませる「二次相続」の問題

相続による売り物件が発生する

夫婦と子どもの家族の場合、父親の死去による母親の相続は法定相続分までの「配偶者の減税軽減」があるため、子どもの納める相続税分だけ資金を調達するようになります。

しかし、母親が相続した財産を将来、子どもに相続するときには「配偶者の減税軽減」が使えず、しかも相続人も1人減ることから、子どもたちは二次相続で再び相続税の納税に苦慮することになります。この問題を乗り越えるためには、所有している不動産を手放す必要が出てきます。

こうして、土地やアパート・マンションが売りに出さるようになります。高齢社会のピークといわれる2040年ごろまで、これから数十年にわたって多くの相続が発生し、多くの物件が売り出されることになるでしょう。

この流れは、物件の購入希望者にとっては選択肢が広がるということになります

遠隔地のマンション経営は実現させるには

全国的なネットワークを持つパートナーが不可欠

遠隔地でのマンション経営は、相続税対策をする上でも効果的なことは分かってもらえたと思います。しかし、問題もあります。

遠隔地のアパート・マンションの売買は、ニーズが高いのですが、社会的な仕組みが整備されていません。物件情報は、インターネットの普及で全国の情報が入手しやすくなりましたが、地元の不動産会社に委託する場合、まだまだ物件が所在するエリアかその周辺にしか情報が伝わらないことが多いようです。

遠隔地の物件を購入する場合、仮に優良な物件が見つかったとしても、その物件を管理する賃貸管理会社を探さないといけないですし、資金を借り入れて調達するならば物件所在地の金融機関になりますが、取引実績が無いと融資交渉は難航することが多いようです。

遠隔地でマンション経営をするならば、全国的な物件売買も賃貸管理も行うネットワークを持つパートナー探しが不可欠になるでしょう。