2015.07.10

福岡市「西中洲 河童」

7年前まで博多の駅前では、知る人ぞ知る鮨の名門「河童」。
業界に入りたての頃からその銘店ぶりは聞き及んでおり、当時の小生など先輩にお供でなければ
到底足を踏み入れられない格式高い店であった。

時を経て、小生も懐に多少のゆとりも生まれ、また店も時代に合わせ代替わり、
場所も変わり敷居を下げ我々に近づいたという。
その、真のエグゼグティブ向け鮨店がどのように変わったか。
興味を持って暖簾をくぐった。

まずは、白身、鯛の昆布締。
味にも盛り付けにも一分の隙もない。
変わらぬ河童らしい烏賊の供し方。呼子のヤリ烏賊を本身と“ミミ”と等しく盛り合わせ、
薬味は「炒った白胡麻」と「粗塩」。
やはり銘店には代が替わろうと店の場所が移ろうとも、時間に負けない銘店らしい拘りと流儀が生きている。
二代目の気さくで気負いのない御亭主が自身の目利きで市場から毎日仕入れるネタは何度訪れても飽きるこことがない。
伝統・定番の一皿に、御亭主の当夜のインスピレーションから生まれる一皿。
「旨い!」はずである。すべて天然もの拘り、当人が食べたいモノしか仕入れない。旨いに決まっている。

お店の店内は、カウンター8席と8人がゆったり座れる座敷が一部屋。
メニューなし、完全予約。その拘りとは相反する暖かい雰囲気。
御亭主と女将が醸し出す居心地の良い空間が、西中洲の道の奥まったところにある。

今日のスペシャリテは「鯖」。

近海の小ぶりな鯖を見事な包丁さばきで造り、青唐醤油で喰わせる。
その醤油も、生醤油を煮切って独自の甘みを加え、
東京からの出張族にも九州人にも受ける味に仕立ててある。

次が「尾の身」。
言わずもがなの鯨肉の最高級部位である。

「う~ん」
一口でノックアウト。
人生でこれほどの鯨肉を食したことがない。
迎え撃つ酒類もいい酒、いい品揃えで抜かりはない。
河童で一献…これこそが博多での大人の贅沢である。

西中洲「鮨・河童」

http://www.nishinakasu-kappa.com/

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