拘りである。
まず、一枚目の笊は石臼で粗く挽きぐるみした蕎麦である。
この蕎麦は爽やかな蕎麦の実の香りとその強い”コシ”からくる喉越しが味わえる。
絶妙さに思わず悦に入る。
噛みしめるとさらに味わいが広がり、〝辛い〟江戸前の汁と絡んで、
これまたえもいわれぬ、そば通ならずとも唸りたくなる味わいである。
二枚目は殻ごと挽いて太目に蕎麦切りした「太打ち(田舎風)」と、
普通の笊蕎麦より更に粗挽きした「手碾き」のふたつから選べる。
この日は後者を選ぶ。
こちらはさきほどの笊よりやや麺が短く少し太く”噛みしめ感”がより強い。
味的には前者だが中々味わえない食味である。
岐阜で旨い昼食を、とお考えの貴兄。
お奨めの蕎麦である。
迷わず暖簾を潜られたし!
「胡蝶庵 仙波」
岐阜市日鋼町3丁目26
TEL 058-232-6776