2016.07.10

京都市/割烹「前田」

旬敏である。
旬を迎えたその最高の素材を、亭主のセンスと技で組み合わせて供する当に都の御味である。

まず、季節に合わせて涼やかな色味の、麻の暖簾をくぐり店内へ。
左手に一本カウンター、その奥が調理場。
オープンキッチンである。
料理はお任せ1種のみ。

四つ葉に呑み口が切られたブールグラスに冷々のビール。
一気に飲み干して京都の暑気をまず払って最初の一品。
初夏らしく青梅からスタートである。

琵琶湖の稚鮎、青い腸がほんのり苦くて絶妙な焼き加減。
さらにこれまた関西夏の定番”鱧”の焼霜。
アルデンテに焼き〆られた厚切り淡路の鱧が口腔に夏の訪れを知らせてくれる。

お椀は「あれまた鱧かな」と思いきや、「あこう(ハタ科の一種キジハタ)」の葛うちを椀種にした一品。

すべてに京都の料亭の伝統と技。
それでいてキャビアをあしらうなど、若い御亭主の意気込みが感じられる。
今、小生一押しの割烹である。
京都の夏は貴船の”床”もいいけれど甲部歌舞練場近くの前田もお忘れなく。

「前田」
京都市東山区祇園町南側570-118 1F

TEL 075-525-5577

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