ミシュラン2つ星の、小林武志オーナーシェフが繰り出す
「ヌーベルシノワ」はいつ食べても、斬新かつ新鮮である。
次々と繰り出す全ての料理に小林シェフ独特のひと工夫があり、ワクワクさせてくれる中華(?)である。
「?」としたのは中華のジャンルに当てはめて良いのか迷うほど斬新な料理の数々でだからである。
勿論良い意味でだ。店内はホワイト&グリーンを基調とした中華料理店というより「リストランテ」と言った落ち着いた趣。料理は、「“桃の木”特選素材 おまかせコース」12,500円からで、全てコースメニューになっている。
さて肝心の料理だが前菜三品に続いて、アズキハタの刺身に中華ソースをかけた一品が登場。
勿論文句なしの鮮度とソースとの相性である。
「ナシ、アボカド、コーン、ウニ、クラゲの冷製」
濃厚なアボカドとウニに、梨の甘みと食感、まず桃の木以外で供されることの無い料理であろう。
「茄子の唐揚げ」
見た目にも艶やかな赤唐辛子テンコ盛のインパクトの強いビジュアルの中に、繊細な温度管理で揚げられた皮むきした茄子が隠れている。山椒塩かリーペリンソースを付けて食するのだが、そのままでいける。そのまま食するとまるでリンゴのような食感と甘味を感じる。表面はあくまでカリッと、中はふわっとジューシーに仕上がっている。まさに桃の木を語るうえで外せない逸品であり、そのビジュアルに負けない素晴らしい美味である。但し、赤唐辛子はあくまで調味料である為食すべからず。
なんといっても桃の木一番のスペシャリテは「パパイヤのスープ」であろう。
見た目のインパクトは前述の茄子の唐揚げほどではないが、その上湯スープはあくまで上品で、どこまでも透き通っているのにしっかり金華豚の滋養に満ちており、鶏肉、貝柱、白きくらげなどの具とのマッチングも完璧である。器兼用のパパイヤの果肉を崩しながら頂くと、スープがまた表情を変える。
一品で多様な味が味わえるひと品である。
場所は三田と白金高輪の中間で、あまり一等地と言えないにも関わらず予約必至の店である。
今日は特別という、晴れの日に是非!
桃の木
東京都港区三田2-17-29 オーロラ三田 105
定休日 水曜日、第2火曜
ランチ営業、日曜営業