“うどん”について、讃岐の方とお話しすると、哲学的過ぎてついていけない時が多々あるが、ここの釜揚げうどんを頂いて初めて意味がわかる気がした。
うどん人気店・老舗の長蛇の列には慣れっこだがここもご多分にもれない。
ランチタイムに待つこと20分、メニューに目をやると揚げ物もおでんもない。
基本個人向けの「釜揚げ」と家族向けの「たらい」しかない(冬季)。
選択の余地なく「釜揚げ大¥350」を選択。
待っている間中、“つゆ”の素晴らしい香りが店中に充満していて嫌が応にも鼻腔をくすぐり食欲を刺激する。
注文後セルフでない配膳方式にて5~6分で席に運ばれてきた。
どれどれ、まず地元の友人の勧めに従い、鰹節だけではない複雑で香り豊かな旨そうな “つゆ”もつけずに「素」でうどんを1本頂く。
「!」
これか!熱でも冷でもなく温が一番小麦の香を楽しめるとのたまわっていたことは!
「旨い」を通り越して素晴らしい!
香り高い素晴らしいつゆもつけずにこの旨さ、唸るしかない。
お次は先代から五十年以上に渡って引き継がれた香しいつゆに少量つけてうどんを頂く。
これまた「旨い!」、麺とつゆのバランスも完璧である。
今度はたっぷり浸してまた一口、これはこれでつゆの香りが楽しめて「旨い!」。
こんなシンプルな釜揚げうどんひとつで何様もの味わいが出来る。
なるほど讃岐うどん、奥が深い。
ここまで究極にシンプルで極上に旨いうどんは初体験である。
もう味を語る前に唸るしかない。
なんでも有名店を枝分かれして、比較的最近始めた店らしい。
控え目でそれでいて確固たる、店主のうどんに対する思いがストレートに伝わってくる。
釜あげうどん 長田 in 香の香
TEL:0877-63-5921
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜日・木曜日(祝日の場合は営業)