「究極」である。
ここまで味を極めたスープを飲むのは、いつ以来であろうか。
おそらく、わが家の家業“鶏卵卸問屋”創業者の祖父に、マナー教室で覚えたての
ナイフとフォークの使い方を披露すべく、日比谷の帝国ホテルの
メインダイニングに出向いた際にいただいた以来である。
すべてが至極の領域の一杯。
関東の醤油ラーメンで、ここまで感銘を受けたことはない。
整理券を朝一受け取ってからでない(2021年4月より整理券から
予約ボードに変更)とランチタイムに食せないほど有名で、
ランキングで常に近隣トップであることは疑いの余地がない。
店内に入り、待つこと数分。
八五特製ラーメン1050円が静かに目の前に置かれた。
もう見た目からして他を寄せ付けない究極の様相である。
多くは語るまい。まずは蓮華を丼に差し入れスープを一口。
「極み」としか表現のしようのない、ラーメンのスープというより
帝国ホテルのコンソメスープを思わせるようなあっさりとした飲み口の中にも
絶妙のコク、甘味旨味を十二分に感じながらもほどよい塩味……。
醤油や鶏ガラをベースに、何をどう足してどの位工夫と時間をかけたら
こんなスープになるのか皆目見当もつかない。
さらに、このスープを吸い上げるのに最適な太さの中細麺。
鹹水の力を借りながらも、小麦粉本来の旨味を口腔にしっかり伝え、
それでいて、するっとした喉越し。程よく脂身のついたチャーシュー。
緑鮮やかな青葱。もう語るまい。
ラーメン好きの諸兄、まずは百聞は一見にしかず。
この究極の一杯を食べずしてラーメンを語るなかれ。
銀座 八五(はちごう)
東京都中央区銀座3-14-2 第一はなぶさビル1F
TEL:050-5596-6139
営業時間:11:00~スープがなくなり次第終了
17:00~スープがなくなり次第終了
定休日:毎週水曜日、第2・第4木曜日