何故か「とりしげ」と名の付く串焼き屋は名店揃いである。
まず「完璧である」。
食材の鮮度、品質、焼の技術、おもてなし。
どれをとっても東京の名店と全く遜色がない。
ローカル色と言えば、品揃え豊富な黒糖焼酎くらいであろうか。
鶏飯に代表されるように奄美は地鶏の名産地。
この南国大自然で育った地鶏の朝挽き鶏肉は旨いに決まっている。
それに熟練の匠の技が光る焼き加減に、備長炭の火力が加われば、
西郷さん(せごどん)もびっくりのひと串になる。
正直、串もサイドオーダーも何を食べても旨かった。
特に、と言えば鮮度が出色だった「レバー」。
中骨まで香ばしくそしてジューシーに食べられる捌き方に技ありの「ぼんちり」。
それに地元とれたて露地栽培の「ブロッコリー」。
サイドでは「鳥わさ」が絶品であった。
ドリンクも日本各地の銘酒からブルゴーニュの白ワイン、
インバウンド垂涎の和製高級ウィスキーまで全方位に取り揃えている。
でもやはりここは黒糖焼酎であろう。
「5杯呑みます!」
と伝えると、カウンターのホスピタリティ&知識豊富な地元出身のお姉さんが、
細やかにそして完璧にアテンド。
何から何まで最高の焼鳥屋。そりゃ地元唯一の百名店でしょうよ。
奄美に行かれた際には昼間の鶏飯、夜の鳥重お忘れなく!
そうそう当店は、昼間は営業していない。奄美名物「鶏飯」も供してはいない。
〆なら「卵かけご飯」がベスト!それも単なる鶏卵を使った卵かけご飯ではなく、
鳥一羽から1本しか取れない「ちょうちん」の焼鳥の、
キンカン部分だけを使った贅沢で手間のかかった一品に仕上がっている。
もちろん、これまた美味であることは言うまでもない。
鳥重
鹿児島県奄美市名瀬金久8-6