2026.08.31

大阪府大阪市/焼肉「焼肉㐂舌」

「最近の焼肉は“映え”ばかり」
そんなボヤキも、耳にする。
ドライアイスや過剰な盛り付け…。演出過多で、結局は“雰囲気で食わせる店”も少なくない。
そんなボヤキを忘れさせてくれる焼肉店が南船場にある。

南船場の”半地下”に潜むこの一軒、見た目だけでは終わらない。
まずタン。これがいい。
厚切り、そして焼き手任せ。火入れの妙で、歯切れと旨味が同時に立ち上がる。
「厚切り牛タンが大変美味」—この手の評価が多いのも納得だ。
正肉も抜かりない。
口に入れた瞬間にほどける柔らかさ。
だが脂で押すのではなく、あくまで肉の味で食わせる。
この“軽やかさを残した和牛”の扱い、実に今っぽい。
コースを見れば、その設計思想はさらに明確だ。
刺し、炙り、焼き、〆まで。
流れに無駄がない。焼肉というより、もはや“肉のコース料理”。

店内もまた一興。半地下、個室、抑えた照明。いわゆる“いい焼肉屋”の条件は一通り揃う。
実際、雰囲気の評価も高い。
ただし、賛否もある。「値段設定は高く感じた」「内容より割高」—そんな声も散見される。
なるほど。確かに“日常使いの焼肉”ではない。
量と価格で満足を取る店ではなく、体験と完成度で納得させるタイプだ。
そしてもうひとつ。サービスはまだ伸びしろあり、との指摘もある。
若いスタッフ中心ゆえの粗さ。だが、それも含めて“今の店”という見方もできる。
総じて。ここは「気軽に肉を焼く場所」ではない。
焼きの技術、肉の質、空間。それらを一段引き上げた“今どきの焼肉”。
南船場の地下で味わう一皿は、単なる焼肉ではなく、“焼肉というジャンルの更新”である。

焼肉㐂舌 南船場
大阪府大阪市中央区南船場4-11-22 B1F

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